01. 玄関の乾いた音
夕方のチャイムが甲高く鳴り、玄関に冷たい音が跳ね返った。宅配便だと信じてドアノブを回すと、群馬県警の制服が二つ、影のように立っている。胸のバッジが薄い光を弾き、狭い玄関に金属の匂いが満ちた。
三年前、軽い気持ちでダチョに打ち明けた「不正クレカでPCを買った」。彼はしれっとスクショを撮り、ログはいつの間にか皆へ流れ、笑いと疑念と軽蔑を混ぜて拡散された。冗談半分で押した送信は、現実に刃を持って戻ってくる。ハイピの温度も、あの夜の通話の呼吸も、履歴の底で凍りついたままだ。
足元で課題プリントが滑り落ち、白い紙が小刻みに震える。名前を告げられる前から、もう全部が暴かれているような気がした。玄関の外の曇天は低く、風はないのに体温だけが奪われていく。――もち。
三年前、軽い気持ちでダチョに打ち明けた「不正クレカでPCを買った」。彼はしれっとスクショを撮り、ログはいつの間にか皆へ流れ、笑いと疑念と軽蔑を混ぜて拡散された。冗談半分で押した送信は、現実に刃を持って戻ってくる。ハイピの温度も、あの夜の通話の呼吸も、履歴の底で凍りついたままだ。
足元で課題プリントが滑り落ち、白い紙が小刻みに震える。名前を告げられる前から、もう全部が暴かれているような気がした。玄関の外の曇天は低く、風はないのに体温だけが奪われていく。――もち。