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25. 文化祭の音

あらすじ:文化祭前の準備。雑多な音の中で、自分の役割を見つける。
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放課後の廊下に、ガムテの裂ける音と、木材のこすれる音が重なる。クラスの展示は写真と簡単な解説パネル。印刷の色味が濁って見え、プリンターの設定をいじる役を買って出た。

誰も得意ではない作業が、意外と自分の手になじむ。テスト印刷の青が、ようやく意図した温度で出たとき、小さく拍手が起きた。大きな功績じゃない。でも、ここに居る理由にはなる。養生テープをちぎる音が、今日は鼓動みたいに心地よい。