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11. 進路調査票の余白

あらすじ:『情報系』の文字を置く。wanの馬鹿ポストが、奇妙に背中を押す。
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進路調査票の『将来の希望』欄に、細い字で「情報系」と書く。輪郭は不安で震えている。タイムラインを開くと、wanがまた馬鹿な動画を貼って爆笑していた。くだらなくて、救いがある。

世界の重さを一瞬だけ軽くする人がいる。自分もいつか、あんなふうに誰かの画面を少しだけ明るくできるだろうか。送信はしない。ただ、余白はもう白紙ではない。キャップを閉めたペンが、かすかに音を立てた。

机の脇でカバンがきしむ音。紙の端が折れていないか確かめ、調査票をクリアファイルへ滑り込ませる。入れ物が決まるだけで、行き先が少し現実味を帯びた。

下校のバスで窓に額を寄せる。街路樹の影が等間隔に流れ、進路という言葉が少しだけ風通しを良くする。遠回りでも、前には進んでいる。