17. バス停のシルエット
夕方のバス停、ベンチは雨粒でまだ冷たい。小学生が濡れたカバンを抱えて立っていたので、立ち上がって席を譲る。礼を言われる前にバスが来て、二人とも無言で乗り込んだ。
窓に反射する街並みの中、自分のシルエットが揺れている。体温が、ほんの少しだけ戻る。こういう小さな動作だけで、一日のバランスが変わることがある。降車ボタンの赤い光が、やけに頼もしく見えた。
停留所のポールに貼られた時刻表は雨に濡れて端が丸まっている。次の便まで三分。短い待ち時間が、今日の総括には十分だった。
次の停留所で親子が乗ってきて、子どもが眠たそうに肩に頭を預けた。バスの揺れが、誰の体温にも公平だと知って少し笑った。
車内アナウンスが次の停留所を告げ、誰かのため息が静かに溶けた。こういう音の重なりの中でなら、しばらくは上手に呼吸できそうだと思う。
窓に反射する街並みの中、自分のシルエットが揺れている。体温が、ほんの少しだけ戻る。こういう小さな動作だけで、一日のバランスが変わることがある。降車ボタンの赤い光が、やけに頼もしく見えた。
停留所のポールに貼られた時刻表は雨に濡れて端が丸まっている。次の便まで三分。短い待ち時間が、今日の総括には十分だった。
次の停留所で親子が乗ってきて、子どもが眠たそうに肩に頭を預けた。バスの揺れが、誰の体温にも公平だと知って少し笑った。
車内アナウンスが次の停留所を告げ、誰かのため息が静かに溶けた。こういう音の重なりの中でなら、しばらくは上手に呼吸できそうだと思う。