29. 発表の掲示
朝の校内に人の流れができ、掲示板の前で小さな渦がいくつも生まれてはほどけた。紙に印刷された番号の列。自分の番号を見つけるまでの数秒間、呼吸だけが大きくなる。
あった。胸の奥で、緩く張っていた糸が音を立てずにほどけた。歓声も、泣き声も、遠い。スマホを出して写真を撮る手が震え、すぐにしまう。誰に見せるでもない。今日という日付の角に、丸みがついた。それで十分だった。
朝の校内に人の流れができ、掲示板の前で小さな渦がいくつも生まれてはほどけた。紙に印刷された番号の列。自分の番号を見つけるまでの数秒間、呼吸だけが大きくなる。
あった。胸の奥で、緩く張っていた糸が音を立てずにほどけた。歓声も、泣き声も、遠い。スマホを出して写真を撮る手が震え、すぐにしまう。誰に見せるでもない。今日という日付の角に、丸みがついた。それで十分だった。