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未読

04. ログの底に浮く声

あらすじ:古いフォルダを開き、裏切りと笑いが交錯する夜。
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眠れない夜、封印していたフォルダを開く。「もち」「ちくわ」と呼び合った痕跡、2b2t.jpの座標、VCで重なった笑い、SSに切り取られた断片が無秩序に積もっていた。同じ場所に、ダチョが流したスクショと、それを面白がるスタンプの連打も残る。

裏切りが本物なら、かつての笑いもまた本物だったのだろう。矛盾は記録の中で隣り合い、どちらも消せない。画面の光に照らされて、目の奥が熱くなる。記録は消えない。けれど、読み方は変えられる。今夜は、そう信じたい。

窓の外で深夜バスが通り過ぎ、部屋の壁に一瞬だけヘッドライトの帯が走る。影が動いて止まるたび、記録の意味も少しだけ位置を変える。読み方を選ぶことは、生き方を選ぶことに似ていた。