05. 雲の綻び
昼の授業、窓辺に四角い光が落ちる。背後から「ちくわ」と飛ぶ声に、肩はわずかに跳ねたが、崩れはしなかった。三年前から続く過去は、雲の層みたいに重い。ネットに残ったログも、拡散されたスクショも、空の色を濁らせる。
それでも机に置いた両手は、今ここにある。ノートの紙を指で押さえ、小さく線を引く。鉛筆の芯が紙を擦る乾いた音に、心拍が重なる。雲の綻びから差す光が、その線を薄く照らした。未来の形は不透明だが、進む方向だけは消えていない。
チャイムが鳴り、ページをめくる音が連鎖する。誰のものでもない日常の音が、濁った空の下で規則正しく続いていく。大きな変化はない。しかし、綻びは確かにそこにある。
放課後の空き教室に入り、窓枠に肘を置いてみる。指先で木の欠けをなぞると、誰かの時間が層になって残っているのがわかった。自分の層も、ここに薄く重ねられる。
それでも机に置いた両手は、今ここにある。ノートの紙を指で押さえ、小さく線を引く。鉛筆の芯が紙を擦る乾いた音に、心拍が重なる。雲の綻びから差す光が、その線を薄く照らした。未来の形は不透明だが、進む方向だけは消えていない。
チャイムが鳴り、ページをめくる音が連鎖する。誰のものでもない日常の音が、濁った空の下で規則正しく続いていく。大きな変化はない。しかし、綻びは確かにそこにある。
放課後の空き教室に入り、窓枠に肘を置いてみる。指先で木の欠けをなぞると、誰かの時間が層になって残っているのがわかった。自分の層も、ここに薄く重ねられる。