ちくわ小説 — 1〜30話

これはフィクションです。登場する名前・地名・団体は作品内の表現であり、現実とは関係ありません。

目次
夕方のチャイムから始まる三年前の記憶。警察と共に過去の影が入り込む。
未読
高校の廊下に残る中学の影。呼び名と噂が重なる朝。
未読
スペースとwanの通知。未読が増えるたびに心拍は等速で鳴る。
未読
古いフォルダを開き、裏切りと笑いが交錯する夜。
未読
曇天に差すわずかな光。呼び名を受け止める肩の強さ。
未読
貸し借りの教科書、雨の匂い。役に立てる感覚が傘の骨になる。
未読
囁きの棘が刺さる午後、先生の『茂木くん』で呼吸が戻る。
未読
画面の向こうに積もる素材は消えない。『もち』という名札を選び直す。
未読
にわか雨と他愛ない会話。ネットの単位では測れない時間が積もる。
未読
選び直しの手触り。『もち』を自分の声で呼ぶ練習。
未読
『情報系』の文字を置く。wanの馬鹿ポストが、奇妙に背中を押す。
未読
『記憶は消えないが更新できる』という一文が今日の背骨になる。
未読
入れ替え可能な影に紛れ、曖昧さのやさしさに救われる。
未読
演算が揃う瞬間、小さな達成が粉になって指に残る。
未読
紙を配るだけの役目。『任される』と『放っておかれる』の中間に立つ。
未読
未読は9のまま。通知だけを消す日があっていい。
未読
席を譲る動作が、体温を少し戻す。
未読
呼び名を順に発声し、最後に本名を置いて灯りを落とす。
未読
インクが乾く間に聞こえる生活の音。未来は遠いが、紙の上では近い。
未読
薄明の路地を歩く。過去は同行者。足取りは昨日より確か。
未読
模試の解答用紙と鉛筆の芯。正解よりも、線を引き続ける感覚を確かめる。
未読
送らない手紙を書く。届かない文面の中で、過去の自分に座標を打つ。
未読
2b2t.jpの古い座標メモを、儀式のように整理する。
未読
ダチョの名前が流れる古いスレを見つける。対話ではなく、輪郭を確かめる。
未読
文化祭前の準備。雑多な音の中で、自分の役割を見つける。
未読
川の土手で、自分の名前をひとつずつ口にする。
未読
既読にならない短文を、間隔をあけて投下する。返事は想定しない。
未読
志望理由を声にする。紙の上の言葉が、喉を通るまでの距離。
未読
掲示板に貼り出された紙。番号と名前、そして息の仕方。
未読
終わりではなく、開始の前段。名前たちを整列させ、朝の帯に入る。
未読