これはフィクションです。登場する名前・地名・団体は作品内の表現であり、現実とは関係ありません。
目次
夕方のチャイムから始まる三年前の記憶。警察と共に過去の影が入り込む。
未読
高校の廊下に残る中学の影。呼び名と噂が重なる朝。
未読
スペースとwanの通知。未読が増えるたびに心拍は等速で鳴る。
未読
古いフォルダを開き、裏切りと笑いが交錯する夜。
未読
曇天に差すわずかな光。呼び名を受け止める肩の強さ。
未読
貸し借りの教科書、雨の匂い。役に立てる感覚が傘の骨になる。
未読
囁きの棘が刺さる午後、先生の『茂木くん』で呼吸が戻る。
未読
画面の向こうに積もる素材は消えない。『もち』という名札を選び直す。
未読
にわか雨と他愛ない会話。ネットの単位では測れない時間が積もる。
未読
選び直しの手触り。『もち』を自分の声で呼ぶ練習。
未読
『情報系』の文字を置く。wanの馬鹿ポストが、奇妙に背中を押す。
未読
『記憶は消えないが更新できる』という一文が今日の背骨になる。
未読
入れ替え可能な影に紛れ、曖昧さのやさしさに救われる。
未読
演算が揃う瞬間、小さな達成が粉になって指に残る。
未読
紙を配るだけの役目。『任される』と『放っておかれる』の中間に立つ。
未読
未読は9のまま。通知だけを消す日があっていい。
未読
席を譲る動作が、体温を少し戻す。
未読
呼び名を順に発声し、最後に本名を置いて灯りを落とす。
未読
インクが乾く間に聞こえる生活の音。未来は遠いが、紙の上では近い。
未読
薄明の路地を歩く。過去は同行者。足取りは昨日より確か。
未読
模試の解答用紙と鉛筆の芯。正解よりも、線を引き続ける感覚を確かめる。
未読
送らない手紙を書く。届かない文面の中で、過去の自分に座標を打つ。
未読
2b2t.jpの古い座標メモを、儀式のように整理する。
未読
ダチョの名前が流れる古いスレを見つける。対話ではなく、輪郭を確かめる。
未読
文化祭前の準備。雑多な音の中で、自分の役割を見つける。
未読
川の土手で、自分の名前をひとつずつ口にする。
未読
既読にならない短文を、間隔をあけて投下する。返事は想定しない。
未読
志望理由を声にする。紙の上の言葉が、喉を通るまでの距離。
未読
掲示板に貼り出された紙。番号と名前、そして息の仕方。
未読
終わりではなく、開始の前段。名前たちを整列させ、朝の帯に入る。
未読